さて、ひと息つきまして昨日の集会報告です。
7・15大学奪還学生行動旗揚げ集会!
漢字が続きすぎるとのご指摘はごもっともですが、まあみなさん、内容はいかがでしたか?
集会のダイジェストをお送りします。少々長いので「つづき」からどうぞ。
まずは全学連書記長もつとめます冨山小太郎氏から基調報告です。
今回、私たちが大学奪還行動を立ち上げるにあたって、まずおさえておくべきは時代情勢です。
「法科大学院に淘汰の足音」(6月21日付日経)
「私立大学初年度納付金平均131万円 授業料も過去最高に」(6月10日付毎日)
「文科省SOS 運営費交付金など削減なら「阪大・九大消滅も」」(7月8日)
「奨学金『返したくても返せない』滞納者31万人に」(4月11日付産経)
「就職留年7万9000人、大卒予定7人に1人」(7月6日付読売)
一切は、経済が行き詰るこの社会の中で、大学が営利目的になっていること、財政破綻のつけが、学生や職員によって払わされているということです。
現在、世界を覆っている新自由主義。
すべてを民営化し金儲けの手段に変えることで何とか延命しようと、80年代から世界各国が取った政策です。
その本質は、より強く搾り取るということ(抵抗勢力の破壊=自治破壊・労組破壊)と、より広く搾り取るということ(教育をはじめとするあらゆる分野の民営化。究極的には戦争)です。
新自由主義大学の究極段階としての姿が、法政大学に象徴的に表れています。
このおもしろくない大学を取り戻すためには、畢竟、私たちは大学の新自由主義化と対決せねばならないということです。
先だっては参院選が行われました。
選挙期間中だけ「国民の政治参加」をうたい、政治意識の低下などと言われながら、たった一日投票した後は政治に対して何もすることができないという現実。
そして、昨年8・30でも明らかなように、選挙のときの美辞麗句など平気で破られるという現実。
政治とはいったい何なのか?いまこそ、学生自らが政治の主体となろう。自治という思想の重要性です。
では、大学とはいかなる存在であるべきなのか?
大学とは自治空間であり、社会的空間です。
今、大学がおもしろくないのは、本来自治空間であるべきはずの場所で自治が失われ、本来社会的空間であるはずの場所が社会と切り離されてきた結果としてあります。
それは、大学の存在基盤が揺らいでいるということです。
だからこそ、今こそ私たち自身が大学の在り方を問い直し、教育そのものを問い直すべきときに来ていると考えます。
おもしろくない大学の現実は数えれば山ほどあります。
出席制度、キャップ制、休学条件の厳格化、学費問題、大学職員の5年条項、自治空間の管理強化、ポスドク問題、ハラスメント問題、二重登録制問題、数理研の現状・・・
総じて、「学生のことが勝手に決まっていく」という、自らの主体性が奪われていることがおもしろくなさの根源にあります。
これを突破するものとしての、自治の復権が問われているのです。
大学の決定権を学生の手に奪い返す。
このために、二つの方針を提起しています。
行動方針提起その一
対当局行動
すべては、学生が決定権を取り戻すということにあります!
学生の声を集めて、大学当局やひいては国を動かせるまでの力に組織していきましょう!
焦点化しているのは学費問題、就職問題です。
大学当局にできないのなら、学生の力で動かすまでです。
質問状や抗議文の提出という形から始める予定ですが、総長団交、ストライキなど、やれることは無限にあります!
その二
自治講座
大学がおもしろくないという声の中で、やはり圧倒的なのが授業がおもしろくないという声です。
カリキュラム化され空洞化していく授業、求心力を失って離れていく学生を縛り付けるのは、出席、単位、キャップ制・・・
すべては、学生を「授業というサービスを受けるお客さん」として扱い、一方で「従順な労働力として企業に売り飛ばす商品」として扱う、今の大学の在り方から来ています。
問われているのは教育そのものの在り方です。
国の財政が破綻する中で、教育が営利化され、金儲けの道具になっている。
しかし、私たちは批判的精神であり学生の主体性こそが学問と教育の本質だと考えます。
今、学生の主体性をとことん奪うしかない大学当局や国・文部科学省による「教育」はすでに破産しているということです。
その証拠としてあるのが、学生の「おもしろくない」という感覚です。
ならば私たちの手でおもしろい授業をつくってやりましょう。
ゼロからの議論をとおして、真に学生の主体性・能動性・積極性の発揮される授業をつくりましょう。
学生には与えられたカリキュラムなんかなくても、出席や単位なんかに縛られなくても、真に学問ができるんだということを大学当局に見せつけてやりましょう。
以上二つの行動方針を挙げましたが、とにかく言いたいことは学生の力で大学をおもしろくすることができるし、おもしろくしましょうということです。
菅首相が悪い見本のようにいうギリシャでは、国が財政破綻のつけを労働者・学生に転嫁するのに対して、労働者も学生もストライキで闘っています。
その中で大学は封鎖され、貧困層に対して学生の手による無償教育の実施が始まっているといいます。
教育が金儲けの道具にされていることに抵抗する中から、万人に開かれた公教育の復権が始まっているのです。
今こそ、ギリシャの学生のように闘いましょう。
討論会も大いに盛り上がりました。
自治講座の講師に名乗りを挙げてくださった院生の方は、「『新入生に自学自習を植え付ける』などという転倒したことをいう西村副学長には、そして法政大学での学生弾圧に対して何の声もあげないような大学当局には、学生の主体性が発揮されるような教育を施すことは絶対にできない。できるはずがない。だったら自分がやる」んだと、熱い決意を述べてくれました。
ギリシャの話では、「国が破綻しようが学問は不滅であると、大学は不滅であると確信できた」と述べ、自身の研究室や院生・ポスドクの現実を述べたうえで、自治講座の大きな目標として、単位制の撤廃を掲げました!会場、拍手で応えます。
ほかにも、他大学から来てくれた学生の方々は、「自分の大学は文科省の言いなりで、出席をとるのもキャップ制も全部あたりまえ。学生自身あたりまえだと感じている。自分としてはおかしいと思っていた。自分の大学でもこういう運動をやりたい」と発言してくれました。
「自分は哲学をやっている。大学は私学で授業料は100万以上。自分は授業に出るより家で本を読んで勉強したいのだが、それでは学費を払っている意味がないと親に言われる。でも、そもそもどうして哲学をやるのに100万も必要なのか?」という発言には、多くの共感の声が寄せられました。
最後に、司会をつとめた京大二回生の学生からひとこと。
やりたいと思っていた学問をやれると思って大学に来たのに、授業はとことんつまらないという現実に、一時は「自分が悪いのか」とコンプレックスを抱いていた。
しかし、この運動を始めてから、学問のおもしろさを取り戻した。
だからぜひみんなにも一緒に大学奪還行動をやってほしい。自分は自治講座の講師にも挑戦したい、という熱い決意表明には、たくさんの拍手でもって応えられました。
みなさん、ぜひ彼の呼びかけに応えましょう。
大学奪還学生行動は7月15日、旗揚げされました。ここから、すべては始まります。
正式発足後初の実行委員会は、7月23日金曜、18時半赤テント集合です!
集会に来てくださった方々はもちろん、来れなかった人、興味がわいた人、どんどん募集しています。
大学奪還学生行動、いよいよはじまるよー!!
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