6・11集会基調
全ての原発を直ちに停止し、廃炉にしよう!
労働組合、学生自治会をよみがえらせ、原発事故をもたらした新自由主義を打ち破ろう!
1:3月11日から3ヶ月たちました。未だに原発事故は収束の展望も見えず被害は拡大し続けています。福島第1原発はメルトダウンし、大量の高濃度汚染水があふれ出し、東京電力と政府が事故直後に言っていたことは完全に破産しています。
現場では作業員が被曝労働をさせられています。原子炉建屋内では、毎時4千ミリシーベルトの放射線が観測されていますが、これは、すでに2・5倍に引き上げられた年間被曝の上限にわずか4分で到達する超高濃度の放射線量であり、全身被曝した場合は2人に一人は死亡するという環境です。
中央制御室内で働いていた東電の社員2名が、年間上限の2倍の放射線量を被曝していたということが明らかにされました。そして、もっとも危険な炉心直近の汚染水の処理作業がどのような体制でなされ、現場労働者がどのような状態に置かれているのかはほとんど報道されず黙殺されています。
86年のチェルノブイリ事故では、数千人が死亡したといわれていますが、政府の公式統計では死亡者はわずか33人とされています。東京電力と菅政権がやろうとしているのはそれと同じことです。原発労働者を「英雄」だと持ち上げながら、被爆させていることを隠して、なんの補償もせずに使い捨てようとしているのです。
文部科学省が出した、年間20ミリシーベルト未満なら、生徒をグランドに出してよいという運用指針も同じです。全ては、政府と東京電力が負担するべき補償・賠償から逃れるための措置です。
福島原発の被害額は20兆円にも上るといわれています。これは汚染された土地の値段でしかなく、農漁業への補償、住民の健康被害に対する対処、なにより原発労働者への補償などは一切含まれていませんが、それですら東京電力の全資産をもっても到底あがなえない規模です。政府や電力会社は、この現実に対して開き直って節電キャンペーンをやって、増税と、電気料金の値上げをしようとしています。福島原発事故で、政府にも東電にも、自分の責任で原発事故を解決する力など無く、生じる犠牲は結局全部社会に押し付けられていくということが明らかになりました。こんな原発を維持するなんてことは絶対にあってはなりません。
*しかし、菅政権や原発企業や資本家団体は、この後に及んで「原発を維持する、拡大する」と明言してます。すでに経済産業省が定期検査中の全国の原発の稼動再開へ向けて地元説明会を開催し、菅首相はドービル・サミットにおいて、「エネルギーの転換」などといいながら、同じ口で「世界最高の原子力行政を」といっています。
JR東海会長の葛西敬之(よしゆき)は「リスクを覚悟で原発を稼動しろ」と発言しています。葛西は「原発は数十兆円に上る設備投資の結晶であり、それ(原発)を簡単に代替できる筈がない」「原子力を利用し続ける以外に日本の活路はない」と言い、「挙国一致内閣をつくれ」と言い放っています。この葛西の発言の一方で、新聞の投書には、福島の高校生から「経済活動のために自分達は犠牲にされている」「いっそのこと原発が爆発すればいい」という声が寄せられています。国家と資本が生き延びるために、労働者、学生、住民に全ての犠牲が押し付けられていることに対して、怒りに絶えません。
さらに、原発維持と一体で、「復興」を口実にして多くの労働者が解雇されようとしています。菅政権が「復興構想会議」なるものをやっていますが、結局、消費税をあげて、東北を特区化して、規制緩和することばかり議論されています。農協も漁協も株式会社に変えられ、首切りも賃下げも自由にされます。ソフトバンク社長の孫正義は、原発反対の声をも利用して「太陽光エネルギーの促進を」などといっていますが、彼が狙っているのは休耕地を買収するために農地法を撤廃することです。そんなことをすれば農地は全て資本に安く買い叩かれ、東北農家が絶滅に追い込まれてしまいます。原発のみならず、震災復興の場においても、国家と資本がやっているのは自分が破産を逃れるために社会を破壊することだけです。
こうしたことの根底にあるのは、大恐慌であり、新自由主義の破産です。わたし達は、もう一度今の時代を見つめなおす必要があります。いまや米国債も日本国債も格付けが下がり続け、インフレと失業が世界中に拡大し、市場を巡る激しい争奪戦が始まっています。菅政権は、この争奪戦に対抗するためにこそ、原発を維持し、「復興」を口実にしたさらなる自由化を進めようとしているのです。現在の事態をもたらした元凶である新自由主義政策を、自分達が生き延びるために、またいつか破産することがわかっていながらも繰り返していくしかないのが菅政権であり、電力資本であり、それらに連なる現社会の構造です。そして、わたしたちが望むのはこんな社会を「復興」することではありません。変革することです。そのために行動することが、今本当に問われています。
わたし達は震災直後の「政治休戦」ムードをぶちやって3月20に反戦デモをやりました。それ以来、反原発デモのうねりは大きくなり、新自由主義を打ち破る6月5日の国鉄集会には1780人が結集し、6月19日にはフクシマ現地でのデモを予定しています。社会に渦巻く怒りを具体的な力にしていくときがきました。本日のデモから、新自由主義を打ち破る大行動を組織していきましょう!
2:原発事故の核心的原因は、新自由主義であり、その新自由主義の出発点となった87年の国鉄分割民営化です。事実、原発の重大事故は17件ですがそのうち13件が87年以降に起きています。なぜでしょうか? それは国鉄分割民営化を契機に、非正規労働が拡大されてきたからです。原発で働く東電の社員はおよそ1万人であるのに対して、下請け労働者は7万5千人。フクシマ原発に至っては正規と非正規が「1対9」の割合です。これは電力会社だけでなく労働組合も一緒になって進めたことです。電力会社の労働組合が自分の組合員を守るためといいながら、組合に入っていない非正規労働者に危険な作業を押し付け、そもそもその作業を強制している資本とはまったく闘わない。こういう形で労働組合が屈服し、正規と非正規で分断することで、どんなメチャクチャもまかり通ってきました。
しかし分割民営化以前には、こうした腐った御用組合はまだ全体の一部であり、日本の労働運動の主流派はこれに一貫して反対してきました。77年には少数組合であった電産中国はストライキを闘い、豊北(ほうほく)原発の建設を阻止しています。81年には関西生コンが原発分会を結成し、原発労働者を組織してきました。こうした反原発の闘いを少数組合がやりぬけた最大の力は、国鉄を中心にして形成される総評の地域労働運動でした。豊北原発阻止闘争も、最大の力になったのは電産中国を支える地域の労働運動でした。山口市職員労働組合のストライキが大きな影響を与えました。
この総評と地区労を破壊するために国鉄が分割民営化されました。それは国家と資本の圧力と、動労本部がそれに屈服して他の組合を裏切ったことによって20万人が職を追われ、200人が自殺するという大攻撃でした。これによって総評と地区労は解体され、日本最大の御用組合・連合がつくられ、派遣法が制定され、電産中国は解散に追い込まれました。そして95年には日教組が文部省との「パートナー路線」を打ち出し、日経連プロジェクト報告では全労働者の「正規職1割-非正規職9割化」が打ち出されました。こうした中で原発反対の運動は弱体化し、原発作業の請負化、非正規化がますます推進され、それと一体で地域経済の弱みにつけこんだ原発や産廃処理施設の押し付けも拡大してきました。これらはすべて、労働組合が資本に屈服し、協力することでもたらされたことです。
そして、新自由主義の決定的な要素として大学の腐敗があります。01年、旧文部省と科学技術庁が統合し文部科学省が誕生しました。それにより原発関連の予算の半分以上を文科省が受け、大学そのものが原発推進の機関へと変質させられてきました。そして、それは04年の国公立大学法人化によって一挙にすすみました。法人化によって、国公立大学に経営協議会が設置され、電力会社などの経営者が大学運営に乗り込み、「寄附講座」と称して企業賛美の講座が開設されていきました。こうした中で「原発は安全でクリーン」というデマが社会に流布されてきたのです。まさに資本による大学の支配が法人化によって横行し、教育の社会的意義はとことん失なわれていきました。
何より重要なことは、法人化はたんに資本の介入を強めたのではなく、それに反対する勢力としての学生自治を徹底的に解体することを通し進行してきたのです。
東京大学を始め、全国各地で学生自治寮が解体され、明治、早稲田、そして法政大学などのサークル部室棟が解体され、学生自主管理から当局管理へと移し変えられてました。その渦中で反対する学生自治会を非公認化し、警察を導入して学生の抵抗を鎮圧するという弾圧が吹き荒れてきました。まさに、労働組合とおなじく、学生の団結形態としての自治会が解体されることを通して新自由主義が進行していったのです。
3:だからこそ原発をとめる展望は、新自由主義を打ち破る労働組合・学生自治会をよみがえらせることにあります。
新自由主義が進められるとき、労働者、学生の団結はいつもバラバラに分断されてきました。その状況を労働組合や学生自治会の執行部が黙認することで進められてきました。
国鉄分割民営化の際には、闘う労働者・労働組合は意図的に解雇の対象とされ、他の労働者・労働組合と分断されることで、最大労組・国労の執行部は沈黙させらされてしまいます。しかし、少数組合であった動労千葉は、クビを覚悟してストライキを闘い抜く事で団結を維持し、分割民営化による団結破壊を打ち破りました。今、動労千葉は10年にわたり新自由主義の核心的な攻撃である外注化をストライキで阻止し、青年労働者を獲得して、組織を拡大しています。
24年前に解雇された動労千葉の高石さんは、6月5日の集会で、北海道のトンネル事故を弾劾し、組合として資本の安全切り捨てに反対して闘うことを宣言しました。解雇された労働者が24年たっても、いち組合員として組合の立場を胸を張って表明したのです。その一方で、政府と和解した国労の本部は、解雇された組合員を組合からを排除する規約をつくろうとしています。
どちらの組合が、大震災や原発事故における国家と資本の犯罪を断罪し、責任を取らせることができるのかは明らかです。新自由主義と対決するためには、資本と国家に絶対反対を貫き、その先頭で闘う仲間を守り抜ける力がないと勝てないのです。
同じことは学生にも問われています。法政大学では大学当局によってサークル自治団体が解体され、反対して闘った仲間に不当な処分が下され続けてきました。こうした処分に立ち向かえなかった学生代表は買収され、最後は自ら自治団体を解散させるに至りました。
しかし、闘う法大生は、処分された仲間を守りぬくために「一人の仲間も見捨てない」というスローガンを掲げて、闘うサークル自治会・文化連盟を再結成し、当局の支配を打ち破ってきました。
今、全ての職場、大学で動労千葉や文化連盟のような労働組合、学生自治会を建設することが待ったなしに問われています。職場・キャンパスに、新自由主義によるさまざまな分断を乗り越える団結で、原発労働者の決起を生み出そう。全ての
原発を直ちに停止し、廃止に追い込もう。
4:今、日本では新自由主義の破産としての原発事故・震災解雇があり、一方エジプトでは新自由主義に対する青年達の革命が叩きつけられています。そこでも問題は一緒です。青年・学生が、政府や資本の支配の道具に成り下がった労働組合の制動を打ち破って、自分たち自身の組織としての労働組合を登場させられるか、否かということです。あらゆる怒りが社会の矛盾を糾すために吹き上がっているこの時に、すべての怒りを一つに束ねる拠点を、職場、地域に無数に打ちたてましょう。
そして、本日のデモに参加された学生のみなさんは、9月の全学連大会へ集まりましょう。新自由主義によって教育は腐敗し、学生は資本の利害にがんじがらめにされ、未来を奪われてきました。その新自由主義の帰結として原発が爆発したとき、原発を擁護し、推進してきた大学の破産もさらけ出されています。今こそ、学生が自分達の手で大学を奪い返し、未来を切り開くときです。9月の全学連大会に、全国学生自治の全面的復権をかけて大結集しましょう。全学連大会にむけて、7月15日には、京都大学において自治会再建への本格的な着手を宣言する集会をおこないます。京都、関西のあらゆる学生は7・15大学奪還学生行動に集まりましょう。そして、キャンパス・街頭で仲間を集め、巨大な行動を作り出しましょう!
最後に、7月16日には再び関西電力本店を包囲するデモをおこないます。そして、8月6日、ヒロシマに結集し、日本の人民の反戦・反核・反原発の意思を全世界に示しましょう。
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