6月11日、燃え上がる反原発のうねりの一環として、京都でも鴨川・三条大橋下広場にて「6・11反原発100万人アクションin京都」が開催され、150人が結集しました。
全学連の学生が基調を提起。「すべての原発を直ちに停止し、廃炉にしよう!」「労働組合、学生自治会をよみがえらせ、原発事故をもたらした新自由主義を打ち破ろう!」と、反原発闘争の核心問題を提起した。 「原発事故の核心的原因は新自由主義であり、その出発点となった87年の国鉄分割・民営化です」「原発で働く東電の社員はおよそ1万人であるのに対して、下請け労働者は7万5千人。組合に入っていない非正規労働者に危険な作業を押し付け、資本とは全く闘わない、こういう形で労働組合が屈服し、正規と非正規で分断することで、どんなメチャクチャもまかり通ってきました」「だからこそ原発をとめる展望は、新自由主義を打ち破る労働組合・学生自治会をよみがえらせることにあります」「職場・キャンパスに、新自由主義によるさまざまな分断を乗り越える団結を組織し、その力で、原発労働者の決起を生み出そう。すべての原発を直ちに停止し、廃止に追い込もう」
この基調提起を受け、国鉄労働者が6・5集会の地平から反原発と国鉄闘争は完全に一体であるとアピール。「われわれの闘いは、絶対反対で事故の発生源そのものをなくす闘いだ。それを原発労働者が開始したときに原発はとめられる。国鉄決戦を軸に労働運動を甦らせよう」
泉佐野市議・国賀祥司さんが関西生コン、三里塚と連続的にかけられた弾圧を粉砕する訴えを行い、これを打ち破る力は現場労働者の怒りの決起を組織しぬくことだと、公務員労働運動解体攻撃粉砕の決戦突入を宣言した。教育労働者も、大阪府知事・橋下の日の丸・君が代強制条例粉砕へ決戦アピールを行った。さらに、部落解放同盟全国連西郡支部の1000人建設をともに闘い、民営化を阻止する決意を八尾北医療センター労組が行った。婦民全国協、労組交流センター、京大熊野寮反原発会議、全学連など多くの仲間が熱烈な決意を表明した。
いよいよデモだ。京都の目抜き通りを縦断するデモは沿道からかつてない注目を得ている。飛び入りも次々と生まれ、沿道でビラを配っている仲間の下にはひっきりなしにビラを受け取りに来る人たちがやってきた。あらゆる人々が大震災と原発事故に怒りを燃やし、行動方針を求めている。今こそ新自由主義を打ち破る労働運動、学生運動をもって、2・1ゼネストを超える革命的決起へ挑戦するときだ。街頭の高揚を職場・キャンパスに! そして、怒りを組織し、拠点を打ち立て、さらなる怒りを結集しよう! 8・6ヒロシマへ、青年・学生の怒りを組織し、組織し、組織しぬこう!
10・1行動で確認された基調を紹介します。
皆さん今日は結集お疲れ様です。
3月11日の原発事故以来、あらゆる犠牲を労働者人民に負わせて、事態が進行してきました。それでもどうしようもなくなって、さらに人民につけを回そうとしています。
さて、本日は京大原子炉実験所の「アトムサイエンスフェア」というのがあり、3・11の事故以来はじめての一般公開です。小出さんや今仲さんといったまじめな研究者が事故後一躍有名になった京大原子炉実験所ですが、一般公開で何をやるのかと思っていましたら、よりにもよって悪名高い御用学者、放射線医学総合研究所の島田義也氏をよんで講演会をするという愚挙をしようというのです。これは、この期に及んで京都大学が原発推進の姿勢をはっきりさせたということです。
島田義也氏について、皆さんはもうご存知かもしれませんが、「10万マイクロシーベルト=100mSvまで大丈夫だ。」「子供は30mSvまでは大丈夫だ」ということを主張している人です。そして、「日本人全員が10万マイクロシーベルトを被ばくした場合、がん死亡率が現在の30%から30.5%に増加するだけ」だと言って、「放射能はたいしたことはない」ということを言おうとしている人です。しかし、その彼自身が言っている中身で実は放射能の恐怖を認めています。日本人の年間のがんでの死亡者数はおよそ31万人。これが0.5%増加するとなると、1550人の増加ということですが、もし、毎年1550人、政府・電力会社のまき散らした放射能により殺され続けるという事態になるとしたら大問題です。全然少なくなんかない。さらにあえて「10万マイクロシーベルト」なんて言い方をしていますが、普通は100mSvと言います。ここにも意図を感じます。
こうして、放射能の危険性を小さく表現して、「たいしたことはない」と言っている御用学者は島田義也氏だけでありません。いろいろなところで御用学者が登場して、放射能は安全だと触れまわっている。その筆頭が長崎大学の山下俊一教授です。福島県知事の要請で、放射線健康リスク管理アドバイザーとして現地の被ばく医療に従事しているといっていますが、言っているのは「ニコニコしている人には放射能はこない」「(チェルノブイリ)現地の人は汚染されたキノコや野菜を食べ続け、体内にセシウム137を500~5万ベクレルくらい持っている。 しかし、何ら疾患が増えたという事実は確認されていない」「放射能は全く大丈夫」ということです。
この山下俊一が福島県立医科大学副学長を兼任して、「200万人の福島県民すべてが被験者です。科学界に記録を打ち立てる大事業になるでしょう」などと言っています。この彼が放射線医療に貢献したとして「朝日がん大賞」を受賞したりと、もうあらゆるところで御用学者がもてはやされている。放射能の影響をできるだけ小さく見せようとし政府・東電の責任逃れ、原発の再推進の先棒を担いでいる。
このような現実から、大学や学問が今どうなっているのかが、はっきりとしました。つまり、お金持ちたちが原発でお金儲けするためのイデオローグが大学を利用してつくられてきたってことです。原発安全神話はまさに大学という権威によって裏付けられてきたものだったのです。その中で原発が推進され、危険だという声を振り切ってやってきた結果、ついに3月11日の事故に行きついた。
04年国立大学法人化以降、国家からの予算がどんどん削られて、大学の自治が揺らいできました。企業からお金がどんどん入るようになり、その資金に依存するから企業の意向を無視しては研究ができない。その中で企業の意思を体現する研究がどんどん進められている。こうした関係の中で、御用学者が登場してきています。
東京電力から東京大学へ5億円の寄付がなされていると言われています。この間の当局への申し入れでは京都大学には年間5600万円あまりが関西電力から出されていることも明らかになりました。その費用で共同研究や・委託研究がおこなわれている。そして、京大を牛耳る経営協議会には元関電社長の藤洋作が入っています。彼は美浜原発で配管が破裂して、5人の労働者が無くなるという重大事故を引き起こした経営責任をとらされて辞任した人ですが、その彼が京都大学の経営協議会に入っている。また、京大が加盟する関経連の会長にも関電会長の森洋介が就いています。ここ京大原子炉実験所では、小出さん今仲さんといったまじめな研究者が昇進差別を受けていまだに助教=助手です。そして、この期に及んでこのような原発擁護のためのイベントを開催する。これが現代の京大の姿です。
これは大学の自治の問題です。大学に資本が入り込んできて、資本の意思と大学自治の意思がせめぎ合う中で、学生自治会、教授会、職組といったあらゆる自治組織が解体・無力化させられてきたという問題があります。その過程で、大学自治の権力が弱まり、資本の意思が介在した研究が幅を利かせてきました。
だから、私たち京大生が自分たち自身の問題として、こうして声を発することは決定的に重要です。私たちは、当局に今日のイベントの中止を求める申し入れを行い、そして本日の現地行動を企画しました。京大の構成員として、勝手なことはさせない。これは本質的には京大としての意思決定を我々にもさせろと、学内で奪われてきた自治権力を奪い返す闘いなわけです。
今、世界中で、そしてここ日本でも、反原発の運動が高揚しています。3・11の事故を受けて、ドイツでは25万人のデモ。国内でも1万人以上の規模で繰り返しデモが行われ、先日9月19日には東京明治公園で6万人の集会・デモが打ち抜かれました。歴史は確実に動いています。そして、本当に原発を止めていくためには、この結集を力に変えていかなければいけません。それには集まるだけでなく、その人たちが現場で権力を取っていくということが重要です。私たちは、京大生として、京大の勝手な振る舞いは許さない、人民にさらに負担を押し付け、金儲けの手伝いをするなんてことさせないという決意で、今日の集会を闘いぬいていきたいと思います。
野田政権は先日行われた国連の首脳会合で日本の原発の安全性を最大に高めていくと表明しました。 今後、「原発の安全性を高めたら稼動してもいいんだ」という議論に絶対になっていく。具体的にはストレステストなどでしょう。そこにおける安全性の論議でまた御用学者の出番となるでしょう。金儲けのために安全を犠牲にする今の体制で、安全な原発など作りえません。原発安全神話の再来を阻止すべく、御用学者のいい加減な言動を許さない、御用学者はもういらないということを示していきましょう。本日1日頑張っていきましょう。ありがとうございました。
開会あいさつは6・5集会でも発言された清野和彦・元福島県教組委員長。
「全国からここ福島に集まっていただき感無量です。誰がこの事態に責任を取るのか!想定外などという言い訳は絶対に許せない!一番言いたいことは、子供たちの未来を守ること。ここに力点をおいて全国で頑張っていただきたい。」
「この状況の中で、最も力を発揮して欲しいのは労働組合、そして若い学生の皆さんです。この福島から原発をなくす、それが全国・全世界での闘いの出発点になります。」
福島の農民の方からの発言。「この地にとどまって農業を続けることこそが農民の闘い」
福島県教組の角田政志書記長。ついに闘う教育労働者の決起が始まった!!
そして、この間の情宣で結合した福島大生が発言!!!
「今日は現地の学生からの発言ということで発言をさせていただきます。
私は出身が新潟です。数年前にも新潟県中越沖地震がありましたが、そのときにも柏崎刈羽原発は地震による被害を受け、全ての原子炉が停止したんです。葛西も起こり、3号機と4号機は地震の前もずっと停止していました。地震で原発が止まるという事態が数年前に起こっているにもかかわらず、今回の震災で福島第1原発は大変な事故を引き起こしました。本当に政府が放射能・原子炉の危険性を本気で考えていたら、このような事態はまず起こらなかったと思います。
今、政府は放射能を一年間に浴びる被曝量、その基準値を引き上げています。それもおかしなことです。毒ガスが撒き散らされたとき、毒ガスを浴びていいという量を上げる人はまずいません。内部被曝による人体への影響、因果関係もはっきりしていないなら、もっと予防線を張るべきだと思うのです。政府、メディアも大学の教授などもウソばっかり。今の世界、デタラメです。
新潟では新たな原発を作ろうという計画もありましたが、住民投票を行い反対派が圧倒的多数で勝利しました。町長は退職させられ、計画は中止になりました。私たちが発言すれば変わります。原発はなくせるはずです。この現地からみんなで立ち上がっていきましょう。」
動労千葉の田中委員長も熱烈なアピール!!
「原発事故は政府・資本の責任であると同時に闘わない労働組合の責任でもある。労働組合をつくりかえる闘いを本気になって全国で巻き起こそう!!」
福島・被災地の皆さん、全国の仲間は皆さんの怒りに応える闘いを爆発させていきます。この社会を根本から変えるために、共に生き、共に闘いましょう!!
6・11集会基調
全ての原発を直ちに停止し、廃炉にしよう!
労働組合、学生自治会をよみがえらせ、原発事故をもたらした新自由主義を打ち破ろう!
1:3月11日から3ヶ月たちました。未だに原発事故は収束の展望も見えず被害は拡大し続けています。福島第1原発はメルトダウンし、大量の高濃度汚染水があふれ出し、東京電力と政府が事故直後に言っていたことは完全に破産しています。
現場では作業員が被曝労働をさせられています。原子炉建屋内では、毎時4千ミリシーベルトの放射線が観測されていますが、これは、すでに2・5倍に引き上げられた年間被曝の上限にわずか4分で到達する超高濃度の放射線量であり、全身被曝した場合は2人に一人は死亡するという環境です。
中央制御室内で働いていた東電の社員2名が、年間上限の2倍の放射線量を被曝していたということが明らかにされました。そして、もっとも危険な炉心直近の汚染水の処理作業がどのような体制でなされ、現場労働者がどのような状態に置かれているのかはほとんど報道されず黙殺されています。
86年のチェルノブイリ事故では、数千人が死亡したといわれていますが、政府の公式統計では死亡者はわずか33人とされています。東京電力と菅政権がやろうとしているのはそれと同じことです。原発労働者を「英雄」だと持ち上げながら、被爆させていることを隠して、なんの補償もせずに使い捨てようとしているのです。
文部科学省が出した、年間20ミリシーベルト未満なら、生徒をグランドに出してよいという運用指針も同じです。全ては、政府と東京電力が負担するべき補償・賠償から逃れるための措置です。
福島原発の被害額は20兆円にも上るといわれています。これは汚染された土地の値段でしかなく、農漁業への補償、住民の健康被害に対する対処、なにより原発労働者への補償などは一切含まれていませんが、それですら東京電力の全資産をもっても到底あがなえない規模です。政府や電力会社は、この現実に対して開き直って節電キャンペーンをやって、増税と、電気料金の値上げをしようとしています。福島原発事故で、政府にも東電にも、自分の責任で原発事故を解決する力など無く、生じる犠牲は結局全部社会に押し付けられていくということが明らかになりました。こんな原発を維持するなんてことは絶対にあってはなりません。
*しかし、菅政権や原発企業や資本家団体は、この後に及んで「原発を維持する、拡大する」と明言してます。すでに経済産業省が定期検査中の全国の原発の稼動再開へ向けて地元説明会を開催し、菅首相はドービル・サミットにおいて、「エネルギーの転換」などといいながら、同じ口で「世界最高の原子力行政を」といっています。
JR東海会長の葛西敬之(よしゆき)は「リスクを覚悟で原発を稼動しろ」と発言しています。葛西は「原発は数十兆円に上る設備投資の結晶であり、それ(原発)を簡単に代替できる筈がない」「原子力を利用し続ける以外に日本の活路はない」と言い、「挙国一致内閣をつくれ」と言い放っています。この葛西の発言の一方で、新聞の投書には、福島の高校生から「経済活動のために自分達は犠牲にされている」「いっそのこと原発が爆発すればいい」という声が寄せられています。国家と資本が生き延びるために、労働者、学生、住民に全ての犠牲が押し付けられていることに対して、怒りに絶えません。
さらに、原発維持と一体で、「復興」を口実にして多くの労働者が解雇されようとしています。菅政権が「復興構想会議」なるものをやっていますが、結局、消費税をあげて、東北を特区化して、規制緩和することばかり議論されています。農協も漁協も株式会社に変えられ、首切りも賃下げも自由にされます。ソフトバンク社長の孫正義は、原発反対の声をも利用して「太陽光エネルギーの促進を」などといっていますが、彼が狙っているのは休耕地を買収するために農地法を撤廃することです。そんなことをすれば農地は全て資本に安く買い叩かれ、東北農家が絶滅に追い込まれてしまいます。原発のみならず、震災復興の場においても、国家と資本がやっているのは自分が破産を逃れるために社会を破壊することだけです。
こうしたことの根底にあるのは、大恐慌であり、新自由主義の破産です。わたし達は、もう一度今の時代を見つめなおす必要があります。いまや米国債も日本国債も格付けが下がり続け、インフレと失業が世界中に拡大し、市場を巡る激しい争奪戦が始まっています。菅政権は、この争奪戦に対抗するためにこそ、原発を維持し、「復興」を口実にしたさらなる自由化を進めようとしているのです。現在の事態をもたらした元凶である新自由主義政策を、自分達が生き延びるために、またいつか破産することがわかっていながらも繰り返していくしかないのが菅政権であり、電力資本であり、それらに連なる現社会の構造です。そして、わたしたちが望むのはこんな社会を「復興」することではありません。変革することです。そのために行動することが、今本当に問われています。
わたし達は震災直後の「政治休戦」ムードをぶちやって3月20に反戦デモをやりました。それ以来、反原発デモのうねりは大きくなり、新自由主義を打ち破る6月5日の国鉄集会には1780人が結集し、6月19日にはフクシマ現地でのデモを予定しています。社会に渦巻く怒りを具体的な力にしていくときがきました。本日のデモから、新自由主義を打ち破る大行動を組織していきましょう!
2:原発事故の核心的原因は、新自由主義であり、その新自由主義の出発点となった87年の国鉄分割民営化です。事実、原発の重大事故は17件ですがそのうち13件が87年以降に起きています。なぜでしょうか? それは国鉄分割民営化を契機に、非正規労働が拡大されてきたからです。原発で働く東電の社員はおよそ1万人であるのに対して、下請け労働者は7万5千人。フクシマ原発に至っては正規と非正規が「1対9」の割合です。これは電力会社だけでなく労働組合も一緒になって進めたことです。電力会社の労働組合が自分の組合員を守るためといいながら、組合に入っていない非正規労働者に危険な作業を押し付け、そもそもその作業を強制している資本とはまったく闘わない。こういう形で労働組合が屈服し、正規と非正規で分断することで、どんなメチャクチャもまかり通ってきました。
しかし分割民営化以前には、こうした腐った御用組合はまだ全体の一部であり、日本の労働運動の主流派はこれに一貫して反対してきました。77年には少数組合であった電産中国はストライキを闘い、豊北(ほうほく)原発の建設を阻止しています。81年には関西生コンが原発分会を結成し、原発労働者を組織してきました。こうした反原発の闘いを少数組合がやりぬけた最大の力は、国鉄を中心にして形成される総評の地域労働運動でした。豊北原発阻止闘争も、最大の力になったのは電産中国を支える地域の労働運動でした。山口市職員労働組合のストライキが大きな影響を与えました。
この総評と地区労を破壊するために国鉄が分割民営化されました。それは国家と資本の圧力と、動労本部がそれに屈服して他の組合を裏切ったことによって20万人が職を追われ、200人が自殺するという大攻撃でした。これによって総評と地区労は解体され、日本最大の御用組合・連合がつくられ、派遣法が制定され、電産中国は解散に追い込まれました。そして95年には日教組が文部省との「パートナー路線」を打ち出し、日経連プロジェクト報告では全労働者の「正規職1割-非正規職9割化」が打ち出されました。こうした中で原発反対の運動は弱体化し、原発作業の請負化、非正規化がますます推進され、それと一体で地域経済の弱みにつけこんだ原発や産廃処理施設の押し付けも拡大してきました。これらはすべて、労働組合が資本に屈服し、協力することでもたらされたことです。
そして、新自由主義の決定的な要素として大学の腐敗があります。01年、旧文部省と科学技術庁が統合し文部科学省が誕生しました。それにより原発関連の予算の半分以上を文科省が受け、大学そのものが原発推進の機関へと変質させられてきました。そして、それは04年の国公立大学法人化によって一挙にすすみました。法人化によって、国公立大学に経営協議会が設置され、電力会社などの経営者が大学運営に乗り込み、「寄附講座」と称して企業賛美の講座が開設されていきました。こうした中で「原発は安全でクリーン」というデマが社会に流布されてきたのです。まさに資本による大学の支配が法人化によって横行し、教育の社会的意義はとことん失なわれていきました。
何より重要なことは、法人化はたんに資本の介入を強めたのではなく、それに反対する勢力としての学生自治を徹底的に解体することを通し進行してきたのです。
東京大学を始め、全国各地で学生自治寮が解体され、明治、早稲田、そして法政大学などのサークル部室棟が解体され、学生自主管理から当局管理へと移し変えられてました。その渦中で反対する学生自治会を非公認化し、警察を導入して学生の抵抗を鎮圧するという弾圧が吹き荒れてきました。まさに、労働組合とおなじく、学生の団結形態としての自治会が解体されることを通して新自由主義が進行していったのです。
3:だからこそ原発をとめる展望は、新自由主義を打ち破る労働組合・学生自治会をよみがえらせることにあります。
新自由主義が進められるとき、労働者、学生の団結はいつもバラバラに分断されてきました。その状況を労働組合や学生自治会の執行部が黙認することで進められてきました。
国鉄分割民営化の際には、闘う労働者・労働組合は意図的に解雇の対象とされ、他の労働者・労働組合と分断されることで、最大労組・国労の執行部は沈黙させらされてしまいます。しかし、少数組合であった動労千葉は、クビを覚悟してストライキを闘い抜く事で団結を維持し、分割民営化による団結破壊を打ち破りました。今、動労千葉は10年にわたり新自由主義の核心的な攻撃である外注化をストライキで阻止し、青年労働者を獲得して、組織を拡大しています。
24年前に解雇された動労千葉の高石さんは、6月5日の集会で、北海道のトンネル事故を弾劾し、組合として資本の安全切り捨てに反対して闘うことを宣言しました。解雇された労働者が24年たっても、いち組合員として組合の立場を胸を張って表明したのです。その一方で、政府と和解した国労の本部は、解雇された組合員を組合からを排除する規約をつくろうとしています。
どちらの組合が、大震災や原発事故における国家と資本の犯罪を断罪し、責任を取らせることができるのかは明らかです。新自由主義と対決するためには、資本と国家に絶対反対を貫き、その先頭で闘う仲間を守り抜ける力がないと勝てないのです。
同じことは学生にも問われています。法政大学では大学当局によってサークル自治団体が解体され、反対して闘った仲間に不当な処分が下され続けてきました。こうした処分に立ち向かえなかった学生代表は買収され、最後は自ら自治団体を解散させるに至りました。
しかし、闘う法大生は、処分された仲間を守りぬくために「一人の仲間も見捨てない」というスローガンを掲げて、闘うサークル自治会・文化連盟を再結成し、当局の支配を打ち破ってきました。
今、全ての職場、大学で動労千葉や文化連盟のような労働組合、学生自治会を建設することが待ったなしに問われています。職場・キャンパスに、新自由主義によるさまざまな分断を乗り越える団結で、原発労働者の決起を生み出そう。全ての
原発を直ちに停止し、廃止に追い込もう。
4:今、日本では新自由主義の破産としての原発事故・震災解雇があり、一方エジプトでは新自由主義に対する青年達の革命が叩きつけられています。そこでも問題は一緒です。青年・学生が、政府や資本の支配の道具に成り下がった労働組合の制動を打ち破って、自分たち自身の組織としての労働組合を登場させられるか、否かということです。あらゆる怒りが社会の矛盾を糾すために吹き上がっているこの時に、すべての怒りを一つに束ねる拠点を、職場、地域に無数に打ちたてましょう。
そして、本日のデモに参加された学生のみなさんは、9月の全学連大会へ集まりましょう。新自由主義によって教育は腐敗し、学生は資本の利害にがんじがらめにされ、未来を奪われてきました。その新自由主義の帰結として原発が爆発したとき、原発を擁護し、推進してきた大学の破産もさらけ出されています。今こそ、学生が自分達の手で大学を奪い返し、未来を切り開くときです。9月の全学連大会に、全国学生自治の全面的復権をかけて大結集しましょう。全学連大会にむけて、7月15日には、京都大学において自治会再建への本格的な着手を宣言する集会をおこないます。京都、関西のあらゆる学生は7・15大学奪還学生行動に集まりましょう。そして、キャンパス・街頭で仲間を集め、巨大な行動を作り出しましょう!
最後に、7月16日には再び関西電力本店を包囲するデモをおこないます。そして、8月6日、ヒロシマに結集し、日本の人民の反戦・反核・反原発の意思を全世界に示しましょう。
6月5日の国鉄全国運動6・5大集会の様子です。
朝、JR御茶の水駅前で街頭宣伝!
会場は千代田区・日比谷公会堂。二階席まで埋め尽くす1780人の大結集! 大震災の下でも、昨年を上回る結集が勝ち取られたことは大勝利です。
被災地・福島と宮城から参加した労働者・保護者が登壇。「生きていくために団結しなければならない」と訴えました。
国鉄分割民営化反対・解雇撤回で闘う争議団が発言。「労働組合が解雇撤回を闘う、そんな当たり前の労働運動をよみがえらせる。国労本部の闘争団除名を絶対に許さない」と熱烈にアピール。
原発を止める力も、震災解雇・就職難を打ち破る力も、社会を根本から変革する力も、労働者階級の団結=労働運動にあります。民衆を抑圧支配するだけの国家権力と、国家権力の言いなりの御用組合を打倒して、団結した私たちの手に社会を奪還しよう!!
全学連書記長からの基調報告
八尾市の反原発議員・末光道正さんから特別報告
部落開放同盟全国連西郡支部から
八尾北医療センター労働組合
国労組合員から4・23尼崎闘争の報告
熊野寮生から沖縄・ヒロシマ闘争へのカンパアピール
相模原市議選を闘った婦人民主クラブ
大阪市職員から
学生から決意表明