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[ 2017/12/11 22:30 | ]
松本総長の御言葉

超重要ですのでしっかりと読みましょう。


新年名刺交換会 挨拶 (2013年1月4日)

第25代総長 松本 紘

 新年あけましておめでとうございます。

  昨年には本学iPS細胞研究所長の山中伸弥教授のノーベル生理学・医学賞の受賞という喜ばしい出来事がありました。これに関連し、学問についてすこし考えてみました。世間一般には「科学の世界」と「非科学の世界」という二律背反する世界があると思われています。科学の世界は論理が貫徹しうる、説明されうる世界、一方、非科学な世界は論理に基礎をおかない、荒唐無稽な作りごとの世界という二分論です。しかし、その境目はそんなにはっきりしたものではありません。

 例えば、時間は一律に流れることは19世紀までは科学の常識でした。20世紀になり、その常識を覆した人がいます。有名なアインシュタインです。彼は慣性系によって時計の進み方が違うと唱えました。一方、世界各地の昔話や神話にはいくらでもそういう話があります。竜宮城にいった浦島太郎はその一例です。科学者はそんなものはただの嘘話と思い、鼻で笑っていました。ところがアインシュタインは自分の頭で考えて、質量も変わる、時間の進み方も変わる可能性があることに気がついたのです。それは非科学といわれた世界を科学に持ち込んだ例のひとつです。

 実は、山中教授の話も同じような話なのです。細胞において1回時計の針を戻し、元の状態、幹細胞としてあらためて多様な展開を可能とするということは素晴らしい着想です。しかし、この話は昔だったら「非科学」的といわれていたに違いありません。実はこれは非科学ではなく、「未科学」だったのです。そして、それを非凡な実験構想に基づき「科学」として開花させることができたのです。「未科学」の世界を「科学」の世界に取り込む。つまり科学の領域を広げて、「未科学」の世界にチャレンジしていく、こういうことが研究者にとって最も重要な仕事のひとつです。これを山中教授がなし遂げられたことが世界に認められたことが私にはとても嬉しいのです。そして、本学の研究者のみなさんに「未科学」を「科学」にするということにチャレンジしていこうかなとぜひ思っていただきたい。「未科学」を「科学」の世界に取り込むというチャレンジこそが京都大学の学問としてふさわしい。そんなことを考えました。

 前置きはこのくらいにして、以下では、新しい年を迎え、昨年1年間の大学の動きを振り返るとともに、今年の重点施策のいくつかをご紹介し、京都大学構成員の忌憚のない意見と必要となる今後の各種活動への一層の参加と協力をお願いしたいと思います。

1.教育および入試改革に関して

 まず、学部教育、とりわけ中教審答申等で要請されている学士課程教育の質保証に関して、各学部のミッションに適合した教養教育と専門教育からなる4年一貫の学位プログラムの構築と実施に向けて、学生の意見調査を踏まえ、高等教育研究開発推進機構のシステム委員会においてカリキュラム改革の基本方針を策定し、平成24年度に群の大括り化と順次性のある科目体系の整備ならびに各学部の卒業要件の改正を行いました。

 また、全学共通教育実施体制等特別委員会を設置して、実施責任体制を抜本的に見直し、全学共通教育の企画、調整および実施等を一元的に所掌する全学責任組織「国際高等教育院(仮称)」の設置を決定するとともに、全人教育の理念のもと、国際高等教育院の組織と実施概要がまとまりつつあり、次年度中に詳細設計を終える予定です。

 大学院教育改革の拠点であるリーディング大学院プログラムに関しては、昨年度のオールラウンド型と複合型の各1件に続き、複合型2件が本年度新規に採択され、併せると4件となりました。さらに、新大学院「総合生存学館(思修館)」の設置が認可され、リーディング大学院プログラムならびに研究科横断教育を全学的に支える体制が整いつつあります。

 そのために、近隣の旧京都市左京総合庁舎跡地を購入し、教育研究施設棟を平成26年8月竣工を目途に建設するとともに、合宿型研修施設2棟を整備するなど、教育環境の充実を図ることとしています。

 教育の国際化への対応に関しては、その根幹となる学位制度について、大学院におけるダブルディグリーのガイドラインを策定するとともに、学部生の海外留学の促進に向けて留学休学中に留学先で取得した単位の認定についての検討を開始、次年度中に制度整備を行います。なお、グローバル化に伴う英語実運用力の向上をはかるために、専門を国際舞台で発揮できる英語運用力育成プログラムを後期より開始しました。

 高大接続については、昨年度の大阪府教育委員会との協定等に引き続き、1,000名規模の高校生との対話集会である大阪サイエンスデイにおいて総長講演を行うとともに、全国5か所で交流会を開催する等、高校教育現場との接続を強化しました。

 本学における入試改革については、過度の受験競争を是正し、グローバル型の人材育成に向けた「京大特色入試」の実施案の策定に着手、平成28年度ないし29年度から多くの学部で導入すべく、また入試改革と高大接続を拡充すべく、「入試改革検討本部」を新設しました。同時に、RU12大学における入試改革・高大接続WGの幹事校を本学が務めるなど、全国的な連携の中で入試改革を推進していきます。

2.研究に関して

 総長就任時以来の懸案事項であった研究専念環境の実現について、多岐にわたる研究支援を研究者に代わって行う8名のU RA(University Research Administrator)からなる 学術研究支援室を発足させ、さらに20名以上を目指し今後URAを採用し、研究環境の整備に努めます。

 また、国際化を強力に推進するため、9月より若手研究者の留学を後押しする「ジョン万プログラム」を発足させました。研究者を対象にした公募では、8名の研究者への留学支援と研究者が抜けた後の研究室への支援2件が採択されました。今後は、研究支援体制の整備、研究者の留学支援を一層精力的に進める所存です。

 国際交流については、第2回の日独6大学学長会議(京都大学、大阪大学、東北大学、ハイデルベルグ大学、ゲッチンゲン大学、カールスルーエ工科大学)を3月末本学で開催し、学生交換、学術交流の話を進めました。また、海外における京都大学の存在感を高めるため、延期にはなりましたが、11月末に北京大学で「京大の日」を企画しました。また、本年1月10、11日には英国ブリストル大学で、本学から、13の分科会に80名程度が参加するジョイントシンポジウムを開催します。これにより世界各国に交流の輪を広げ、「世界をリードする京都大学」としての地位の確立を目指したいと思います。本学は従来国際関連事業を積極的に展開してきました。今年は、その活動が効率的に展開できるようにオーガナイズし、今後を見据えた国際戦略を明確化したいとも考えています。

3.社会貢献

 社会貢献の一つの柱である産学連携としては、産学連携の共同研究の開拓と推進、大学の技術移転、知的財産の確保と移転および産学連携の国家プロジェクトの推進とこれらに関わる契約等の法務関連業務があります。年間844件の共同研究および年間500件(外国出願を含む)を超える出願(特許保有数(出願中を含む)は2,000件を超えました)により、平成23年度実績で、平成23年度の特許権実施等収入が約2.2億円で全国大学1位になりました。これは平成19年度の20位(約910万円)に比べると飛躍的な進歩です。

 平成25年は「科学技術イノベーションの推進に向けたシステム改革」として平成25年度概算要求で示されている「センター・オブ・イノベーション(COI)」(産学マッチングファンド)の獲得を計画しているとともに、京都市・京都府と連携して地域イノベーションを進めるとともに、けいはんな学研都市への展開も進めます。さらに、共同研究および技術移転に関してはグローバル化を進め、ヨーロッパ・米国および東南アジア各国の大学・企業へと展開します。

 附属病院は本学の社会貢献の重要な担い手で、世界トップクラスの医育機関となるべく努力をしてきました。今年は、最先端医療機器の開発・マネージメントのための人材育成の場としての「最先端医療機器臨床研究センター」、iPS 細胞を用いた難病の研究・創薬や再生医療を目的とした「iPS細胞臨床開発部」、臨床研究の全国拠点として認定された「臨床研究中核病院」などを中心に、最先端の医療の創生を目指して社会に貢献したいと考えています。

 渉外活動としては、京都大学ブランドの構築に向けて、有効なアウトリーチ活動、戦略的な広報媒体として、3月に、卒業生を中心とする大学支援者との連携強化、公開講座等による情報発信や地域連携等を網羅的に紹介し、大学支援風土の醸成を図るための「京都大学ファンブック」を作成、9月には、朝日新聞出版と企画協力し、本学の教育・研究・社会連携の取組をダイジェストに紹介した「京都大学 by AERA 知の大山脈、京大。」を出版、さらに6月には、本学ホームページに試行的に「Facebook」を導入して、新たな戦略的情報発信の強化を行いました。今後も「京大らしさ」を鮮明にアピールし、将来的な基金獲得に繋げていくため、戦略的な情報発信事業の充実を行う所存です。

4.大学運営に関して

 財政は昨年に引き続き厳しい状況にありますが、「強い京都大学」であり続けるために、教育研究組織の大改革に取り組んでいます。学外有識者のご協力を戴きながら、各部局の考えを聞きつつ、今年の3月末を目途に全ての部局の改革計画とロードマップを定めます。

 また、昨年、事務改革に着手しましたが、今年4月を目処に共通事務部を立ち上げ、事務の効率化を図り、業務の合理的な縮減を図ってまいります。

 未来を見据えた機能強化のためには、必要なところに必要な資源を投入していく必要があります。厳しい財政状況下では、教職員の定員を年次計画に従って削減せざるを得ませんが、同時に、措置すべきところに適切に教職員を再配置するシステムを構築し、機能強化を図っていきます。

 やる気のある人達に頑張っていただくための工夫もしています。昨年、総長および部局長による教員表彰制度を作りました。教育、研究、社会貢献等の活動において顕著な業績を挙げた本学の教員を表彰することにより、教員の一層の活性化を図っていきたいと考えています。

 財務的な側面では、現在の国の厳しい財政状況の中でも、将来にわたり強い京都大学であり続けるため、25年度予算の編成に向けて、大学改革に向けたガバナンス強化の一環として、現行の予算配分方法の抜本的な見直しを行っています。

 本学では、これまで競争的資金等不正防止計画等を定め、適正かつ適切な会計経理の確保に努めてきたところですが、昨年、一部に不適切な経理の実態が明らかになったことは誠に遺憾です。係る事案が二度と発生しないよう、更なる公的研究費の不正防止のための対策を講じるとともに、教職員への周知・啓発と意識の高揚に取り組んでいく所存です。

 平成18年の他大学における公的研究費不正使用問題発覚を契機に、本学においても検収センターを設けるなど、公的資金の不正使用防止に向けて動き始め、この間各部署に分かれて個別に対応していたところですが、近時の社会の動きを見据え、個別対応だけではなく、大学全体としてコンプライアンス事案に対応している姿勢を明確にする必要性を認識して、10月に法務・コンプライアンス対策室を立ち上げて担当副学長を新設し、関連規程も整備しました。

 今後の課題は、従来個別対応に由来する各部署関連規程と、新しい「京都大学におけるコンプライアンスに関する規程」および関連規程との整合性の検証と改善、そしてコンプライアンス事案の予防のためのさらなる活動です。今までも新任の教職員に向けた研修を行ってはいますが、さらに、特に本規程上の広義のコンプライアンスの内容周知活動が必要と思われます。

5.施設・環境整備について

 平成25年度施設整備費関係の概算要求の本学にかかる状況としては、病院東構内の総合先端基盤研究棟、吉田キャンパスのライフライン再生、耐震補強および機能改修やPFI事業等の継続事業6事業の合計20事業となっています。

 今後1年間に実施を計画している目玉事業としては、吉田南構内の吉田寮・食堂・集会所整備、左京区役所跡地の総合生存学館(思修館)および全学共用の施設整備、医学部附属病院のI期病棟等です。また、欧米先進大学で取り組まれているサステイナブルキャンパスを本学においても推進するための事業展開を計画しています。

 なお、社会的関心の高い吉田寮・食堂・集会所整備について少し詳細を補足すると次の通りです。まず、新棟(100名+α規模、7億6千万円)は現在設計中です。埋蔵文化財調査と京都市との協議を5月末までに終え、8月に工事着工し、平成26年秋に竣工する予定です。

 次に、学生集会所(6億4千万円)を現在設計中であり、平成26年秋に竣工する予定です。ただし、工事期間中の練習の代替施設については現在協議を行っているところです。

 最後に、吉田寮現寮(200名+α規模、18億円)は遅くとも平成25年4月に設計を開始し、平成27年度中の竣工を予定しています。現在は、基本的な部分(構造、費用、期間など)について施設部と学務部で連日協議しています。

 昨年行った事業では、施設整備補助金で150億円以上の事業を発注したほか、学内経費でも27年度までに耐震化を完了する目標をたて第二期重点事業による耐震化の加速、本部構内交通安全対策事業(駐輪対策)などを実施するとともに、環境に関するシンポジウム「京から始める省エネ・省CO2の新たな展開」を開催しました。

 また、桂キャンパスは、工学(Technology)と科学(Science)が融合する「テクノサイエンス・ヒル」と位置づけられ、産官学の連携による、国際水準の卓越した教育研究が着実に展開されてきています。昨年の秋、工学研究科物理系施設整備事業(PFI事業)による工学研究科物理系専攻の建物が竣工し、現在、移転作業が行われています。2003年の化学系専攻および電気系専攻の移転から約10年の歳月を要して、ようやく工学研究科の桂キャンパス移転が完了することになります。このたびの移転により、4,000名近くの学生、教職員が桂キャンパスに集うことになり、教育研究の拠点として、一層の賑わいを見せるものと期待しています。ただし、残念なことに、スペースの問題で物理系専攻の一部がなお吉田キャンパスに残ります。関連施設やDクラスター予定地の整備、アクセスの改善など、まだまだ課題はありますが、今後も、引き続きキャンパスの環境整備を推進していく予定です。

 なお、現在継続中の事業ではありますが、農学研究科附属農場(高槻)においては、移転等に係る基本協定を締結するとともに、平成28年4月からけいはんな学研都市の木津川市の新農場で教育・研究を開始する予定としています。これにより、最先端の知識と技術を習得した将来の農業を担う人材の育成や、食糧・環境・エネルギー問題の解決に向けた次世代の農業技術の開発等が期待されます。

6.むすびに

 今年も大学を取り巻く社会情勢を見据え、魅力・活力・実力ある京都大学の実現にむけて真摯に大学運営に取り組んでいきたいと思います。構成員のみなさんの一層の参加と協力を重ねてお願いいたします

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/profile/intro/president25/speech/130104_1.htm

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[ 2013/02/23 22:29 | Comments(0) | キャンパス ]

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