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[ 2024/11/22 12:50 | ]
さよなら御用学者! 10・1反原発熊取現地行動の集会基調

10・1行動で確認された基調を紹介します。


皆さん今日は結集お疲れ様です。
 

 3月11日の原発事故以来、あらゆる犠牲を労働者人民に負わせて、事態が進行してきました。それでもどうしようもなくなって、さらに人民につけを回そうとしています。
 

 さて、本日は京大原子炉実験所の「アトムサイエンスフェア」というのがあり、3・11の事故以来はじめての一般公開です。小出さんや今仲さんといったまじめな研究者が事故後一躍有名になった京大原子炉実験所ですが、一般公開で何をやるのかと思っていましたら、よりにもよって悪名高い御用学者、放射線医学総合研究所の島田義也氏をよんで講演会をするという愚挙をしようというのです。これは、この期に及んで京都大学が原発推進の姿勢をはっきりさせたということです。
 

 島田義也氏について、皆さんはもうご存知かもしれませんが、「10万マイクロシーベルト=100mSvまで大丈夫だ。」「子供は30mSvまでは大丈夫だ」ということを主張している人です。そして、「日本人全員が10万マイクロシーベルトを被ばくした場合、がん死亡率が現在の30%から30.5%に増加するだけ」だと言って、「放射能はたいしたことはない」ということを言おうとしている人です。しかし、その彼自身が言っている中身で実は放射能の恐怖を認めています。日本人の年間のがんでの死亡者数はおよそ31万人。これが0.5%増加するとなると、1550人の増加ということですが、もし、毎年1550人、政府・電力会社のまき散らした放射能により殺され続けるという事態になるとしたら大問題です。全然少なくなんかない。さらにあえて「10万マイクロシーベルト」なんて言い方をしていますが、普通は100mSvと言います。ここにも意図を感じます。
 

 こうして、放射能の危険性を小さく表現して、「たいしたことはない」と言っている御用学者は島田義也氏だけでありません。いろいろなところで御用学者が登場して、放射能は安全だと触れまわっている。その筆頭が長崎大学の山下俊一教授です。福島県知事の要請で、放射線健康リスク管理アドバイザーとして現地の被ばく医療に従事しているといっていますが、言っているのは「ニコニコしている人には放射能はこない」「(チェルノブイリ)現地の人は汚染されたキノコや野菜を食べ続け、体内にセシウム137を500~5万ベクレルくらい持っている。 しかし、何ら疾患が増えたという事実は確認されていない」「放射能は全く大丈夫」ということです。

 この山下俊一が福島県立医科大学副学長を兼任して、「200万人の福島県民すべてが被験者です。科学界に記録を打ち立てる大事業になるでしょう」などと言っています。この彼が放射線医療に貢献したとして「朝日がん大賞」を受賞したりと、もうあらゆるところで御用学者がもてはやされている。放射能の影響をできるだけ小さく見せようとし政府・東電の責任逃れ、原発の再推進の先棒を担いでいる。


 

 このような現実から、大学や学問が今どうなっているのかが、はっきりとしました。つまり、お金持ちたちが原発でお金儲けするためのイデオローグが大学を利用してつくられてきたってことです。原発安全神話はまさに大学という権威によって裏付けられてきたものだったのです。その中で原発が推進され、危険だという声を振り切ってやってきた結果、ついに3月11日の事故に行きついた。
 

 04年国立大学法人化以降、国家からの予算がどんどん削られて、大学の自治が揺らいできました。企業からお金がどんどん入るようになり、その資金に依存するから企業の意向を無視しては研究ができない。その中で企業の意思を体現する研究がどんどん進められている。こうした関係の中で、御用学者が登場してきています。

 東京電力から東京大学へ5億円の寄付がなされていると言われています。この間の当局への申し入れでは京都大学には年間5600万円あまりが関西電力から出されていることも明らかになりました。その費用で共同研究や・委託研究がおこなわれている。そして、京大を牛耳る経営協議会には元関電社長の藤洋作が入っています。彼は美浜原発で配管が破裂して、5人の労働者が無くなるという重大事故を引き起こした経営責任をとらされて辞任した人ですが、その彼が京都大学の経営協議会に入っている。また、京大が加盟する関経連の会長にも関電会長の森洋介が就いています。ここ京大原子炉実験所では、小出さん今仲さんといったまじめな研究者が昇進差別を受けていまだに助教=助手です。そして、この期に及んでこのような原発擁護のためのイベントを開催する。これが現代の京大の姿です。

 

 これは大学の自治の問題です。大学に資本が入り込んできて、資本の意思と大学自治の意思がせめぎ合う中で、学生自治会、教授会、職組といったあらゆる自治組織が解体・無力化させられてきたという問題があります。その過程で、大学自治の権力が弱まり、資本の意思が介在した研究が幅を利かせてきました。
 だから、私たち京大生が自分たち自身の問題として、こうして声を発することは決定的に重要です。私たちは、当局に今日のイベントの中止を求める申し入れを行い、そして本日の現地行動を企画しました。京大の構成員として、勝手なことはさせない。これは本質的には京大としての意思決定を我々にもさせろと、学内で奪われてきた自治権力を奪い返す闘いなわけです。

 

 今、世界中で、そしてここ日本でも、反原発の運動が高揚しています。3・11の事故を受けて、ドイツでは25万人のデモ。国内でも1万人以上の規模で繰り返しデモが行われ、先日9月19日には東京明治公園で6万人の集会・デモが打ち抜かれました。歴史は確実に動いています。そして、本当に原発を止めていくためには、この結集を力に変えていかなければいけません。それには集まるだけでなく、その人たちが現場で権力を取っていくということが重要です。私たちは、京大生として、京大の勝手な振る舞いは許さない、人民にさらに負担を押し付け、金儲けの手伝いをするなんてことさせないという決意で、今日の集会を闘いぬいていきたいと思います。
 

 野田政権は先日行われた国連の首脳会合で日本の原発の安全性を最大に高めていくと表明しました。 今後、「原発の安全性を高めたら稼動してもいいんだ」という議論に絶対になっていく。具体的にはストレステストなどでしょう。そこにおける安全性の論議でまた御用学者の出番となるでしょう。金儲けのために安全を犠牲にする今の体制で、安全な原発など作りえません。原発安全神話の再来を阻止すべく、御用学者のいい加減な言動を許さない、御用学者はもういらないということを示していきましょう。本日1日頑張っていきましょう。ありがとうございました。

 

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[ 2011/10/03 23:11 | Comments(0) | TrackBack() | 集会 ]

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